倒れている(傷病者)に近づき、耳もとで「大丈夫ですか」または「もしもと」と呼びかけながら、傷病者の方を軽くたたき、反応があるかないかを見る。

●呼びかけなどに対して目をあけたり、何らかの反応があれば「意識あり」。何も反応がなければ「意識なし」と判断する。
●交通事故などで、頭や首に怪我がある場合やその疑いがある時は、体をゆすったり首を動かしてはならない。
●意識があれば傷病者の訴えを聞き、必要な応急手当を行う。

意識がなければ大きな声で、
「誰か救急車を呼んで」と助けを求める。

●協力者が来たら、119番へ通報し、救急車を要請してもらう。
もし誰もいなければ、119番通報をまず行う。

空気が鼻や口から肺に発するまでの通路を開く

片手を額に当て、もう一方の手の人差し指と中指の2本をあご先(おとがい部)に当て、これを持ち上げ、気道を確保する。

●指で下あごの柔らかい部分を圧迫しない。
●頭を無理に後ろに反らせない。

気道を確保した状態で自分の顔を傷病者の胸部側に向ける。
頬を傷病者の口、鼻に近づけ、呼吸の音を確認するとともに、自分の頬に傷病者の吐く息を感じ取る。(見て、聞いて、感じる)
傷病者の胸腹部を注視し、胸や腹部の上下の動きを見る。

10秒以内で調べる。

●頬はできるだけ傷病者の口、鼻に近づける。
●呼吸音も聞こえず、吐く息も感じられず、胸腹部の動きがなかったり、それらが不十分な場合は、「呼吸なし」と判断する。

呼吸がなければ人口呼吸を開始する。気道を確保したまま、額に当てた手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまむ。口を大きくあけて傷病者の口を覆い、空気がもれないようにして、息をゆっくりと2回吹き込む。

●ゆっくりと約2秒かけて2回吹き込む。
●吹き込む量は、傷病者の胸が軽く膨らむ程度(500ml〜800ml(10ml/体重1kg)とする。
●吹き込んだときにスムーズに吹き込みができなかった場合は、もう一度首をもどして、気道の確保をやり直し、息を吹き込む。
●どうしても口対口人工呼吸をすることに抵抗がある場合は、ハンカチなどを傷病者の口に置いて吹き込んでもかまわない。また、携帯できる簡易化型の人工呼吸用マスクをもっっていると便利である。
●もし、傷病者に傷や出血がある場合や、救助者の皮膚や口の周りに傷がある場合は、口対口人工呼吸を行わないで、心臓マッサージのみを行う。

傷病者の口に耳を近づけて、次の微候「循環のサイン」の有無を調べる。
○呼吸をしているか?(目で胸の動きを見る、呼吸音を聞く)
○咳をしているか?
○体になんらかの動きがみられるか?

循環のサインは、10秒以内に調べる。

●これらの微候がみられない、明らかでない場合には、循環のサインなしと判断して、直ちに心臓マッサージを開始する。
●微候のいずれかがみられる場合には、循環のサインがあり。心停止でないと判断して、人工呼吸を続ける。

循環のサインがない場合には、直ちに心臓マッサージを開始する。
心臓マッサージの手を届く位置の見つけ方。
○胸部の一番したの肋骨を人差し指と中指の2本指で触れる。
○そのまま2本の指を肋骨の縁にそって胸の真ん中まで、すべるように移動させる。
○真ん中のヤマ形のところで親指をとめ、それに並べるように、もう一方の手の付け根をおく。この置かれた手の付け根の位置が圧迫部位となる。

他方の手をその手の上に重ねる。
(両手の指を交互に組んでもよい)
肘をまっすぐに伸ばして体重をかけ、胸が3.5cm〜5cm圧迫する。

○小児の場合
片方の手の付け根で 、胸骨の下半分の部位を胸の厚さの約1/3くぼむまで圧迫する。床面が固く平らな所で行う。もし、ベッドやソファに倒れているときは、循環のサインがないのを確かめた後に床面に移す。

○乳児、新生児の場合
片手の2本指(中指、薬指)で、左右の乳首を結ぶ線より指(横)1本分下の部位を、胸の厚さの約1/3くぼむまで圧迫する。


15回の心臓マッサージと、2回の人工呼吸のサイクル(15:2)を繰り返す。

人工呼吸は1回の吹き込み時間に2秒かけて、5秒に1回の速さで行う。

最初に、心臓マッサージ15回と人工呼吸2回のサイクルを4サイクル行った後に、循環のサインの有無を10秒以内に調べる。

その後は心臓マッサージ15回と人工呼吸2回のサイクルを繰り返し、2〜3分ごとに循環のサインの有無を10秒以内に調べる。

●心臓マッサージ15回と人工呼吸2回のサイクルを、救急隊員が到着するまで続ける。
●もし、救助者が2人以上いる場合は、1人が119番して、もう1人が心肺蘇生法を行う。
●もし途中で、循環のサインが見られた場合には、呼吸が不十分であれば、人工呼吸のみを継続。十分な呼吸を見られるならば、気道を確保しながら回復体位にする。